(宿泊業)事業承継や事業譲渡(M&A)を考えている皆さまへ
M&Aは増加傾向
近年、事業承継や事業譲渡、M&Aの件数は増加しています。
同様にホテルや旅館でもM&Aの件数は増加傾向にあります。
国内同業者からのM&Aのみならず、異業種や海外企業とのM&Aや大手ファンドによるホテルチェーンの再生も見られ、市場は活発に動いています。
売主側・買主側のメリット
売主側のメリットは次のような点が考えられます。
①売却益の確保、経営地盤の強化
②個人保証からの解放
③従業員の雇用の確保
④後継者問題の解決
他方、買主側のメリットは次のような点が考えられます。
①人材、施設、立地の確保
②事業拡大、ノウハウの獲得
③低コストでの参入
M&Aの基本的な流れ
M&Aの基本的な流れは次のとおりです。
①売主と買主がそれぞれのアドバイザー(仲介会社等)への相談、契約
↓
②秘密保持契約
↓
③売主と買主とのマッチング
↓
④基本条件の提案
↓
⑤トップ面談
↓
⑥基本合意等の締結
↓
⑦デューデリジェンス(法務監査、会計監査)の実施
↓
⑧最終合意
↓
⑨クロージング(合意内容の実行)
M&A成功のチェックポイント
M&A成功のチェックポイントをいくつか挙げておきます。
・M&Aの目的の明確化
何のためにこのホテルを買うのか、何のために売るのかを明確にすればする程、契約条件において重視すべきポイントとそうでないポイントが明確になり、M&Aの成功率が格段に上昇します。
・立地条件、施設の現地調査
アクセスや改装に要するコストと時間の見極めは、やはり「百聞は一見に如かず」です。現地調査もしないまま机上で行うのは大変危険です。
・集客機能の調査
まずはメインとなる顧客層を狙いどおりに囲い込むことができているかを調査しましょう。
また、近年はWebからの申込みが主戦場と言っても過言ではありませんので、ホームページの導線や予約フォームの整備等の調査が必須です。
さらに、外国人旅行客は今後ますます増加することが見込まれますので、海外の旅行会社との提携や海外の旅行予約サイトへの登録等、外国人の集客機能が強化されているかも大きなポイントです。
・収益率やコスト管理の確認
M&Aによる経営主体の変更は、客室稼働率や宿泊料金の見直しによる収益率の上昇、業務の機械化、外注化、仕入原価の削減、廃棄率の抑制等によるコスト管理を行うチャンスです。
・許認可や権利の確認
既存のホテルや旅館をM&Aで取得して引き継いで営む場合、新たな事業者の下で旅館業営業許可を取得する必要があります。他方、飲食店定業等は届出で足ります。
・デューデリジェンスの徹底
ホテル・旅館のM&Aにおいては許認可や権利を意識したデューデリジェンスが必要です。
前事業者が許可を取得した後、施設の改装・改築・増築等を行ったり、消防法に基づく点検に不備があったりすると、許可申請の際に思わぬ落とし穴に落ちる可能性もあります。
許認可以降に法律や条例等が改正されたことによって許可基準を満たさない場合もあります。
そもそも現状有しているはずの許認可が正当なものか否かの調査も必要となります。
ここは弁護士の腕の見せ所ですので、必ずホテル業・旅館業に精通した弁護士を選択してください。
M&Aの成立後のトラブル対策も万全に
買主にとってM&Aの成立はスタートであってゴールではありません。
その後も、従業員の離職、取引先や顧客の確保、契約書内容との相違、簿外債務の発覚等、様々なトラブルが生じるでしょう。
しかし、これらは、会社の実情に詳しい弁護士に臨機応変に対応できる体制を構築しておくことで、損害を最小限度に食い止めることができます。
当事務所では、ホテル・旅館のM&Aに際して必要となる知見を備えた専門チームにより、充実したサポートをご提供することができます。
ぜひご相談ください。
個別のトラブルとその解決策はこちら
- 宿泊規約の作成・見直し
- (宿泊業)従業員が労働審判を起こしてきた
- (宿泊業)従業員から残業代請求を受けてしまった
- (宿泊業)設備施工業者へ補修請求をしたい
- ~宇奈月温泉事件~
- (宿泊業)当事務所の特長・強み
- (宿泊業)従業員を解雇、退職させたい
- (宿泊業)お客様からクレームを受けた
- 反社会的団体の構成員風の者から宿泊の申込みがあった
- (宿泊業)就業規則や雇用契約書を作成、見直したい
- (宿泊業)休職、復職を繰り返す従業員への対応を検討したい
- (宿泊業)外国人従業員と労務トラブルが発生してしまった
- (宿泊業)外国人を雇用したい
- (宿泊業)お客様が部屋や備品を壊してしまった
- (宿泊業)お客様が備品を盗難してしまった
- 旅館業法に違反した際の罰則とは
- お客様が宿泊料金を支払ってくれない
- (宿泊業)お客様が飲食料金を支払ってくれない