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(宿泊業)お客様が部屋や備品を壊してしまった

部屋や備品の損壊

お客様がホテルの部屋や備品を壊してしまった場合,法的にどのような手段が考えられるでしょうか。

民事的救済

(1)部屋や備品が壊された場合,宿泊客に「故意」又は「過失」が認められれば,その宿泊客に対して「損害」の賠償を請求することができます。


「故意」「過失」「損害」が法的にもキーワードとなるので,以下で簡単にご説明します。

 

(2)「故意」とは,簡単に言うと「わざと」のことです。

宿泊客が,部屋や備品を「わざと」壊すようなケースは,それほど多くないと信じたいですが,もし使い方や壊れ方を見て「わざと」やったと思われる事案があれば,迷わずご相談ください。そのような悪質なケースは,絶対に見過ごすべきではありません。

 

(3)実務上よく問題になるのは「過失」です。

「過失」とは,簡単にいうと「不注意」です。この場合,宿泊客側からは「使い方は間違っていなかった」とか,「そもそも備品の方に問題があった」とか,「使い方の説明が明記されていないのが悪い」といった弁解・反論があり得ます。

「過失」の事案では,備品の状態や性質,使い方等,個別ケースごとの様々な具体的な事情が材料となり,法的判断が必要となってきますので,迷わず法律の専門家である我々弁護士にご相談ください。

 

(4)「過失」以上によく問題になるのが,「損害」です。

部屋や備品を壊された場合,宿泊客に何をどこまで請求できるでしょうか。
修理で元に戻る場合は,その修理費用が「損害」です。修理期間中,その部屋や備品が使えないことで被った「損害」も,賠償請求できます。

 

修理で直らないケースでは,新しく備品を購入する代金を請求したい気持ちになりますが,損害賠償の理屈上,これは中々認められません。

 

損害賠償は「元の状態に戻すこと」を本質としているところ,新品代金全額を「損害」と認めてしまうと,「元の状態」よりも良い状態になって,ホテル側が得をし,宿泊客側の負担が過大になるからです。

 

基本的には,損壊当時の時価相当額が「損害」と考えられることになるでしょう。

 

(5)損害賠償請求の前提として,部屋や備品を壊した宿泊客を特定しなければならないこと,民事上の請求について経済的合理性を検討しなければならないことについては,「お客様が備品を盗難してしまった」をご覧ください。

 

(6)また,お客様が部屋や備品を壊してしまった場合の取扱いについても,あらかじめ宿泊約款に明記し,客室に備えつけたり,ホームページ上に掲載しておくことが有効です。


当事務所では,約款の作成やリーガルチェックについても対応させていただきます。

刑事的手段

備品の損壊は,器物損壊罪(刑法261条)に該当し得るものです。民事上の請求が難しい場合でも,警察に被害届を提出することで,捜査してくれる場合があります。
もっとも,器物損壊罪が成立するためには「過失」では足りず,「故意」が必要です。お客様が「わざと」備品を壊したと思われるような悪質な事案については,損害賠償請求にとどまらず,被害届の提出も検討された方がよいでしょう。

当事務所の宿泊業・ホテル業向けリーガルサービスのご紹介

これらのトラブルに対し、京都総合法律事務所では、損壊前後の状況、原状回復費用、頻度、類似事案の存否、事業活動への影響等を踏まえて検討し、

〇 民事的救済の検討

〇 刑事的手段の検討

といった現に生じた被害への対応はもちろん、

〇 対応マニュアルの整備

〇 利用規約の整備

といった今後への備えについても対応が可能です。

そもそも、このようなトラブルに対してどのように対応するかは、事業所の皆様それぞれのお考えがあると思いますので、皆様の理念を基に一緒に考え、最善の解決策をご提案したいと考えています。

そこで、サポート内容としては、プロジェクト的な対応を可能とすべく、ある程度の期間をベースにしたサポート契約をお勧めしています。

具体的には、

〇 クレーム対応に特化したクレームガード

〇 宿泊業・ホテル業にまつわるあらゆるお悩みに対応できるリーガルサポート

のいずれかがお勧めです。

クレーム対応に特化したクレームガードの概要は以下のとおりです。

宿泊業・ホテル業にまつわるあらゆるお悩みに対応できるリーガルサポートの概要は以下のとおりです。

いずれも皆様の実需にあわせてカスタマイズ可能ですので、お気軽にご相談ください。

まとめ

「お客様が備品を盗難してしまった」でも書かせていただいたとおり,違法行為に対しては毅然とした態度で追及し,「泣き寝入りで終わらないこと」が大切です。

その実現手段の一つとして,我々弁護士にご相談いただければと思います。

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