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(宿泊業)お客様からクレームを受けた

「フロントの対応が遅い!」

「宴席の客室係の対応が悪い!」

「料理に異物が混入していて口内を怪我した!」

「アレルギーがあると申し出ていたのに変更がなされずアレルギーが発症した!」

「料理の写真が本物と違う!」

「お風呂場で滑って怪我した!」

「ホテルに預けた荷物が紛失した!」

「禁煙のお部屋を予約したのにタバコの匂いがする部屋を割り当てられた!」

「ホームページの宿泊価格に消費税や入湯税が加算されることが明記されていなかった!」

「クーポンが使えなかった!」

「予約確認のメールが届かなかったので他のホテルを予約したのにキャンセル料を請求された!」

「個人情報が流出した!」

「インターネットの評価を信じて宿泊したのに…。」

 

このようなクレームにお心当たりはありませんか。
宿泊業(ホテル業,旅館業)は,日常的にクレームを受けるリスクと隣り合わせです。
ある調査によると,多くの従業員が,

 

①暴言
②同じ内容のリピート
③説教
④威嚇・脅迫
⑤長時間拘束
⑥セクハラ
⑦金品の要求
⑧暴力
⑨土下座の強要
⑩インターネットでの誹謗中傷

 

に悩まされているとの結果が報告されています。

クレームには,企業価値を向上させる「正当なクレーム」と企業価値を消耗させる「悪質クレーム」とがあります。

前者は宝の山です。正面から向き合って誠実に対応するとともに,情報の集約と原因の分析を行い,業務の改善につなげて企業価値を向上させましょう。

 

しかし,後者への対応は前者とは異なります。

正面から向き合って誠実に対応しようとすると様々なリスクが生じます。

当初は正当なクレームであったものが,初期対応のミス,誤解,興奮,羞恥心,落胆,怒り等によって悪質クレームに変容することも多いのが実情です。

正当なクレームと悪質クレームとを見分け,適切に対応することが肝心です。

「悪質クレーマーに対する危機管理とリスク管理のための対応策」のセミナー概要

当事務所で開催したセミナー「悪質クレーマーに対する危機管理とリスク管理のための対応策」において,

・悪質クレームへの対応を誤った場合に生じる損失
・有事における危機管理と平時におけるリスク管理(危機管理の3つの5W1H,リスク管理の5W1H)

等をご説明させていただきましたので,その概要をご紹介させていただきます。

悪質クレームへの対応が難しい理由は,

 

・お客様(消費者)対事業者の関係があること
・「正当」「グレー」「悪質」の明確な基準がないこと

 

何が悪質クレームで,何が正当なクレームなのかの見極めには微妙な判断を伴う場合もあります。

責任者や意思決定機関が法的な裏付けをもって客観的に判断する必要があります。そのために社内での情報の共有と一元化を強く推奨します。

定期的に研修会や勉強会を実施することは大変有意義です。

 

疑わしい事案において悪質クレームか否かを判断するためには,

発端(原因)→ 初期対応 → その後のやり取り

を正確かつ迅速に記録し,責任者(意思決定機関)と直ちに共有することが重要です。

決して現場で抱えないようにしてください。

そして,共有を受けた責任者(意思決定機関)は速やかに対応策を判断してください。

悪質クレームへの対応を誤った場合に生じる損失

一つ目は従業員のメンタルヘルスが損なわれます。
従業員には,様々な年代や社会的背景を持ったお客様達の多様なニーズを正確に理解し,丁寧に誠実に接する,てきぱきと対応することが期待されています。

しかし,商品やサービス等に対するクレームの最前線では,過度・理不尽な要求への対応を迫られる場面があります。

そのような場面において,従業員が過度に責任を感じてしまったり,無理して対応を続けたりしてしまうと,メンタルヘルスを害し,職場の士気が下がり,生産性が低下するといった負の連鎖を導きます。

 

二つ目は企業価値が損なわれます。
悪質クレームに対して迅速かつ適切な対応が図られなければ,通常のお客様(本当のお客様)へのサービスが低下し,お客様離れが加速します。
また,従業員の離職率の増加や人材が集まらない事態が生じるリスクも高まります。

近年の売り手市場においては,求人活動と育成に多くのコストを要します。

人事コストが増大すると業務が圧迫され,企業の成長が阻害されます。

有事における危機管理と平時におけるリスク管理(危機管理の3つの5W1H,リスク管理の5W1H)

有事における危機管理の5W1Hは,場面に応じて3つの獲得目標があります。

 

ステップ1は初動(初期鎮火)
ステップ2は正当なクレームか悪質なクレームかどうかの見当付け
ステップ3は要求の打ち切りです。

危機管理の場面では,社内の担当窓口を一本化するとともに,取引先やパートナー企業と情報共有して意思統一を図ること,弁護士や警察等に事前に相談して態勢を整えておくことが重要です。

平時におけるリスク管理の5W1Hは,クレームに強い組織の構築が獲得目標です。

①企業として悪質クレームには毅然とした対応方針を明確に打ち出すこと
②研修会・勉強会・意見交換会の実施
③管理職の指導
④窓口担当者を孤立・疲弊させないよう相談窓口を設置すること
⑤関係機関と連携すること

まとめ

・正当なクレームと悪質クレームとを客観的に見極められる体制を構築する。
・正当なクレームには,誠実な対応,情報の集約と原因の分析を行って企業価値を向上させる。
・悪質クレームへの対応を誤ると従業員のメンタルヘルスや企業価値が失われる。
・悪質クレームには,危機管理の5W1Hとリスク管理の5W1Hで適切に対応する。

 

正当なクレームと悪質クレームとを客観的に見極める際,気軽に弁護士に相談できる体制になっていると,とても心強いと思います。

当事務所では,クレーム対応に特化したリーガルサービス「クレームガード」をご用意しております(クレームガード対象パートナー弁護士:伊山・拾井・野﨑・髙田・前田)。

 

 

このサービスは,クレームに際して気軽に弁護士に相談できる体制を整えられることはもちろん,研修会・勉強会・意見交換会,従業員や管理職の指導,窓口担当者のための相談窓口等にも弁護士がサポートする体制が整えられます。
そうすることで目の前のクレームに対し,自信をもって法的に正しい対応をすることができるようになります。


適切な体制を構築し,本来の業務に集中して企業価値を向上させましょう!

 

クレームにお悩みの方,「クレームガード」の導入をご検討の方は,お問い合わせフォーム又はお電話(075-256-2560)にてお気軽にお問い合わせください。

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