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景品表示法(景表法)の二重価格表示の基準と違反時の罰則とは?

二重価格表示の概要

景品表示法とは

景品表示法(景表法)は、商品やサービスの取引に関連する不当な景品類や表示(広告)による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為を禁止する法律です。表示(広告)に対する規制として、優良誤認表示、有利誤認表示、指定告示があります。

ここでは、有利誤認表示の代表例である二重価格表示について説明します。

二重価格表示とは

二重価格表示とは、商品やサービスの価格を表示する際に、通常価格と割引価格を同時に示すことで、消費者に「お得感」を与える手法です。しかし、適法でない二重価格表示は消費者に誤解を与え、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害する危険があります。

そこで、価格表示ガイドラインにおいて、適正な二重価格表示の考え方が示されています。

適法な二重価格表示の基準

正当な比較対照価格

正当な比較対照価格とは、二重価格表示において「通常価格」として表示される価格のことです。この価格は、実際にその商品が一定期間販売されていた実績のある価格でなければなりません。

<過去の販売価格を比較対照価格とする場合>

同一の商品について「最近相当期間にわたって販売されていた価格」を比較対照価格とする場合には、不当表示に該当するおそれはありません。「最近相当期間にわたって販売されていた価格」に当たるか否かは、当該価格で販売されていた時期及び期間、対象となっている商品の一般的価格変動の状況、当該店舗における販売形態等を考慮しつつ、個々の事案ごとに検討されることになります。一般的には、二重価格表示によるセール開始時点からさかのぼる8週間において、当該価格で販売されていた期間が、当該商品が販売されていた期間の過半を占めているときには、「最近相当期間にわたって販売されていた価格」とみてよいとされます。

つまり、セール開始日が7/1とすると、その日から遡る8週間である5/6~6/30の56日間のうち、過半数である29日間に表示されていた販売価格が比較対照価格となります。ただし、その価格で販売された最後の日から2週間以上経過している場合は、いずれも比較対照価格として用いることができません。

なお、販売期間が8週間未満の場合はその期間の過半数が対象となりますが、販売期間が通算2週間未満の場合も比較対照価格として用いることができません。

<将来の販売価格を比較対照価格とする場合>

新発売セールと銘打って「セール後△△円 今だけ〇〇円!」と表示することもあると思います。この場合、表示された将来の販売価格に十分な根拠が必要です。

他方、実際に販売することのない価格やごく短期間のみの価格の場合には、不当表示に該当するおそれがあります。なお、タイムサービスについては、通常は不当表示該当するおそれはないとされています。

<希望小売価格を比較対照価格とする場合>

公表されている価格であれば大丈夫です。他方、公表されていない価格を比較対照価格とした場合には、不当表示に該当するおそれがあります。

<競争事業者の販売価格を価格対照価格とする場合>

一般消費者が競争事業者から同一の商品を購入できる場合には、その販売価格を比較対照価格とすることができます。また、市場価格を比較対照価格とする場合には、競争事業者の実際の販売価格を正確に調査してエビデンスを残しておく必要があります。

価格表示ガイドラインに準じた適法な表示例

たとえば、「通常10,000円が、今なら20%OFFの8,000円」と表示する場合、10,000円が実際に直前の56日間のうち29日間で販売されており、かつ、最後に10,000円で販売されてから2週間が経過していないのであれば、OKです。

違法と見なされる二重価格表示の事例

具体的な違法表示の事例と判断基準

× 同一ではない商品の価格を比較対照価格とする場合

× 2週間未満しか販売されていない価格を比較対照価格とする場合

× 最後に販売されてから2週間が経過した価格を比較対照価格とする場合

× 実際に販売する明確な予定のない価格を比較対照価格とする場合

× 公表されていない価格を比較対照価格とする場合

× 一般消費者が購入できない価格を比較対照価格とする場合

× エビデンスの市場価格を比較対照価格とする場合

判断基準は、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあるか否かです。

二重価格表示違反時に企業が受ける罰則

措置命令

景表法に違反した場合、措置命令の対象となります。措置命令の内容としては、不当表示により一般消費者に与えた誤認の排除、再発防止策の実施、今後同様の違反行為を行わないことがあります。

課徴金納付命令

措置命令を受けると、除外要件に該当しない限り、課徴金納付命令が待っています。課徴金の計算式は、課徴金対象期間の売上額×3%ですので、極めて厳しい制裁になります。クレベリンの大幸薬品は約6億円、メルセデス・ベンツは約12億円、中国電力は約16億5000万円もの巨額の課徴金納付命令を受けました。

当事務所がサポートできること

当事務所では、景表法に基づく二重価格表示の適法性についてのアドバイスや、企業が違法と見なされないための表示方法のチェック、違反が疑われる場合の対策サポートを行っています。

具体的には以下のサポートを提供しています

○景表法に関するコンサルティング

○適法な価格表示の作成支援

○消費者庁からの措置命令や課徴金納付命令への対応サポート

○社内研修やセミナーの実施による法令遵守の啓発

貴社が公正な取引を維持し、消費者からの信頼を得るためのお手伝いをいたします。

<京都総合法律事務所の広告チェックサービス>

・スポットでのご依頼

基本のリスクチェック:1広告あたり2万7500円(税込み)

代替表現のご提案:+2万7500円(税込み)

※A4で8ページ以上の広告については別途ご相談

・継続的なご依頼

月額5万5000円(税込み)で月2広告まで

3広告目以降は1広告あたり2万2000円(税込み)

※リスクチェックだけでなく代替表現も追加費用無しでご提案します。

※A4で12ページ以上の広告については別途ご相談

※広告数やページ数が多い場合はこちらの方がお得です。

https://kyotosogo-law.com/advertising/

<京都総合法律事務所のリーガルサポート>

私たちは、弁護士と皆様とが継続的な信頼関係を築くことで、より深く、より手厚いリーガルサポートを行いたいと考えています。従来の顧問契約のイメージから一歩進み、皆様の実情を積極的に理解し、適切な対応を瞬時に行う。それが私たちの法律顧問サービスの特長であり信念です。

当事務所のリーガルサポートプランには、

✅ それぞれが専門分野を持ったパートナー弁護士全員が企業活動を総合的かつ多角的にサポート

✅ 案件に応じて適切な弁護士がアサインすることで全ての案件にベストな解決をご提案

✅ サポートする弁護士が増えても月額料金は同じ

という特長があり、コンサルティングから、社内研修、トラブルの解決まで、景表法に関するあらゆるニーズにお応えします。

https://kyotosogo-law.com/post-3164/

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