建設業で業務用車両がエンジントラブルを起こしたケースで、車両販売会社に対し、提訴前の交渉で修理費相当額の賠償を勝ち取った例【工務店】
ご相談のケース
業務用車両を運転中、突然エンジンが吹き上がり停止するという事故が発生しました。車両販売会社に対し、事故があった旨通知し、調査の上、相応の賠償をするよう求めましたが、「異常は認められず不具合の原因は不明」という調査結果を返され、対応してもらえない状況が続いています。修理費相当額の賠償を請求することはできないでしょうか。
解決方法
事故発生から修理工程を時系列に整理し直し、エンジンの構造やリコール情報を踏まえ、先方から返された調査結果の妥当性を精査しました。調査結果に対しては,その全てを否定するのではなく,客観的証拠と整合する部分については採用して引用しつつ、調査が不足している点や、短絡的に結論を導いている点に絞って問題を指摘し、再度の調査と原因究明を求めました。同時に、誠意ある回答がない場合は、訴訟提起及び国土交通省への通報等の措置を検討している旨、文書で警告しました。
そうしたところ、すぐに先方の代理人弁護士から連絡があり、修理費全額を賠償する内容で、示談することができました。
担当弁護士の所感
担当者レベルでの初期対応では、会社の責任を認めない方向で回答をしてくるケースがよく見られます。
しかし、弁護士からの文書で、調査結果等を踏まえ、客観的に合理的な主張を構成し、誠意ある回答を求めることで、先方の対応が、担当者レベルから管理職・役員クラス、あるいは顧問弁護士対応に切り替わり、認めるべき責任は認め、速やかな賠償の実現に結びつくことがあります。本件はそのようなケースの代表例でした。
相手方の初期対応について、何かおかしいと感じられた場合は、すぐに我々弁護士にご相談ください。
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