【解決事例】 売却した土地に廃棄物が埋まっていたとして高額の損害賠償請求を受けた例
ご相談のケース
裁判所から訴状が届きました。どうやら,以前,当社が所有していた土地を売却したところ,その土地に廃棄物が埋まっており,撤去費用等が必要であるとして高額の損害賠償請求を受けているようです。当社には当該土地に廃棄物が埋まっているという認識は一切ありませんでした。契約書に瑕疵担保免責特約を入れているので大丈夫なはずが,地方裁判所では5000万円以上の損害賠償請求を受けてしまいました。このままでは当社は倒産してしまいます!
解決方法
本件では,依頼者を訴えている相手方(原告)が依頼者から直接当該土地を買ったわけではなく,依頼者→中間者→相手方という形で2つの売買契約が締結され,第三者のためにする契約の体裁を取っていたため,訴訟当事者が入り乱れるという事態になっていました。
タイトなスケジュールでしたが,当該土地の取得の経緯,取得時の状況,取得時の調査の有無及びその内容,売却までの利用状況,売却時の契約の内容,売却後の交渉経緯等を詳細に確認し,瑕疵担保免責特約の効力,悪意・重過失該当性,仮に損害賠償責任を負うことが避けられない場合の正当な範囲を再検討しました。
そのうえで,瑕疵の認識の主体はどの当事者が基準になるのかといった地裁では出ていなかった争点からの切り込みも図り,最終的には高等裁判所において実質的にゼロ和解とする内容で解決でき,依頼者は窮地を脱することができました。
担当弁護士の所感
不動産は生ものであるという認識から,スピードを優先し,事前の調査が不十分になることが多々あります。しかし,一度紛争となればかなりの高額の責任を負いかねません。
本件の場合,九死に一生を得た形ですが,やはり裁判は水物であり,事業活動に予測していなかった損害をもたらすリスクがあります。紛争の芽は事前に摘むことが大切です。本件は,顧問契約を締結することで日常的に事業活動をサポートし,簡単なことであっても契約書チェックや方向性のリーガルチェックを行って安心して事業活動に専念していただくことの重要性を再認識したケースでした。
また,不動産に限らず,大きな売買の前にはデュー・デリジェンス(法務監査)が欠かせません。本件も事前に関わることができればそもそも裁判を防ぐ余地はあったように思われるところです。
もちろん当事務所では単発でのデュー・デリジェンスのご依頼も喜んでお受けし,クオリティと迅速さにこだわった結果報告書をご提出させていただきますが,日常的なお付き合いを通じ,社風,理念,事業活動の方向性,日常業務の中に潜在的に潜むリーガルリスク等を把握したうえで取り組ませていただければ,より高品質のサービスをご提供することができると確信しています。
当事務所の特長
「個性と総合力」が当事務所の特長ですが,まさに本件でもそれぞれの得意分野をもった弁護士で弁護団を結成し,知見を集積することで適切な解決に至ることができました。ご相談を通じてひと味違うリーガルサポートを感じていただければ幸いです。
また,当事務所ではセカンドオピニオンも承っておりますので,お気軽にご相談ください。
京都総合法律事務所は、1976(昭和51)年の開所以来、京都で最初の「総合法律事務所」として、個人の皆さまからはもちろん、数多くの企業の皆さまからの幅広い分野にわたるご相談やご依頼に対応して参りました。経験豊富なベテランから元気あふれる若手まで総勢10名超の弁護士体制で、それぞれの持ち味を活かしたサポートをご提供いたします。