【解決事例】 建物改装工事(リフォーム)の瑕疵が争われた事例(建築紛争)
ご相談のケース
相談者である建築業者が施工した改装工事(リフォーム)について,顧客(以下「相手方」といいます。)から,工事後に発生した雨漏りをはじめ,「注文どおりの仕様になっていない」等,多数の「瑕疵」を理由に,修理費及び調査費等,合計数百万円の損害賠償を請求されました(手続としては,京都弁護士会紛争解決センター(※)における和解あっせん手続を申し立てられました。)。
(※)京都弁護士会が設立する裁判外紛争解決手続機関です。詳しくは京都弁護士会 紛争解決センターのHP(http://kyoto-adr.jp/)をご参照ください。
解決方法
雨漏りは,建物の老朽化によっても発生しうるため,工事後に雨漏りが発生したからといって,直ちに「雨漏りの原因は工事である」と言うことはできません。
本件においても,雨漏りの原因は特定されていませんでした。
そこで,まず雨漏りの原因を特定すべく,双方代理人弁護士立会いの下,屋根や壁に散水し,どこから雨漏りが生じているのか,漏水調査を実施しました。
調査の結果,今回相談者が施工していない部分からも,雨漏りが生じていることが判明しました。
また,相手方が「瑕疵」と主張しているその他多数の箇所については,そもそも相手方のいうような注文はなかったこと(合意内容になっていないこと),相談者の施工は予算内における一般的な仕様であること等を,一つずつ丁寧に反論しました。
相手方の説得には相応の時間と労力を要しましたが,最終的に,当初請求額の5分の1以下の金額での和解が実現しました。
担当弁護士の所感
建築瑕疵を巡る紛争は,専門的知識が要求されるとともに,感情的対立も先鋭化しやすい類型といえます。主張される「瑕疵」が多岐にわたる事例も多く,一つずつ個別に「瑕疵」該当性を見極める必要があります。また,仮に「瑕疵」と認定される可能性がある場合には,損害や修補に関する相手方の請求額の妥当性についても吟味しなければなりません。この検討作業は,同じ弁護士であっても,同種事案の解決経験がなければ難しいものです。
経験豊富な弁護士が複数在籍する当事務所では,過去の解決事例に基づき,裁判になった場合に想定される事態や,和解する場合の金額の相当性(いわゆる「落としどころ」)を見極めることができます。
本件においても,和解が決裂して裁判に発展するリスク(裁判に要する時間・費用・労力等)を考慮し,それと比較して妥当と思われる金額の提示を行うことで,最善の和解を実現することができました。
京都総合法律事務所は、1976(昭和51)年の開所以来、京都で最初の「総合法律事務所」として、個人の皆さまからはもちろん、数多くの企業の皆さまからの幅広い分野にわたるご相談やご依頼に対応して参りました。経験豊富なベテランから元気あふれる若手まで総勢10名超の弁護士体制で、それぞれの持ち味を活かしたサポートをご提供いたします。