スタートアップ企業の課題を解決する社外役員
スタートアップ企業の課題
スタートアップ企業とは、起業前のアイディア段階から経営が徐々に安定していく段階までの企業をいいます。
成長ステージに伴って、シード、アーリー、ミドル、レイターと区分されることが一般的です。
シード :起業前の段階
アーリー:起業直後の段階
ミドル :事業が軌道に乗り出す前の段階
レイター:経営が徐々に安定してくる段階
そして、それぞれの主な課題は次のとおりです。
シード :1つの目標に向かって一体となって取り組むことができるチーム作り
アーリー:資金繰り及び展開する事業の見極め
ミドル :人材をはじめとする経営資源の確保
レイター:企業の成長戦略の確立
この課題を解決するための有力な方法が、スタートアップ企業であっても、ステージのできる限り早い段階から社外取締役や社外監査役(以下、あわせて「社外役員」といいます。)を選任することです。
なぜスタートアップ時から社外役員を選任すべきなのでしょうか。
それは、次の3点です。
①企業の成長ステージを共に乗り越える経験を通じることで事業への理解が地に足のついた真に深いものとなる点
②企業の機関設計等を法律専門家が機動的に助言できる体制を整えることにより創業者がその能力と時間を起業の成長に集中投下できる点
③人材確保のタイミングを逸しない点
①企業の成長ステージを共に乗り越える経験を通じることで事業への理解が地に足のついた真に深いものとなる点
スタートアップ時は、会社が急成長をする時期でもあり、会社の実情や会社が抱えるリスクについても日々目まぐるしく変化するものです。この時期は、振り返ってみれば、最も苦しく、かつ、最も楽しい時期です。この時期を共に過ごし、乗り越えた経験により、事業に対する理解が真に深いものとなります。
スタートアップの時期を乗り越え、本格的に上場を見据えて成長させていくためにも、社外役員がスタートアップ時から会社に関わり、辛苦を共にし、会社の変化やその背景を肌で感じていることが極めて有益です。
②企業の機関設計等を法律専門家が機動的に助言できる体制を整えることにより創業者がその能力と時間を起業の成長に集中投下できる点
スタートアップの時期は、創業者のアイディアを実現するための活動と並行して企業の骨格を作る必要があります。ものづくりにおいて土台作りが重要となることと同じで、成長できる企業であるためには確かな土台が築かれていることが重要です。スタートアップから社外役員を選任するメリットは、企業の土台作りから社外役員の助言監督が得られることです。
土台作りとしては、会社の機関設計、資金調達、人材の確保、事業展開などがあげられます。これらを行うにあたっては、法律の遵守が必要不可欠です。しかし、この時期の創業者には、法律の知識の習得以上に経営戦略の模索など経営者としてやるべき多くのことがあります。
社外役員として弁護士を起用し、スタートアップ時から会社の機関設計、労務、組織再編などの土台作りについて法律専門家が機動的に助言できる体制を整えれば、創業者の能力と時間を企業の成長に集中投下させることができます。どれだけ立派な建物を建てても、その土台が不安定なものであれば建物の安全性が揺らいでしまうように、企業の土台が不安定だとその後どれだけ素晴らしい会社経営を行ったとしても、会社の成長が阻害されかねません。スタートアップ時に法律を遵守した会社経営ができていることは、その後も法律を遵守した会社経営を持続できることへ繋がり、長期的な企業発展にも極めて有益です。
③人材確保のタイミングを逸しない点
また、スタートアップ時に社外役員を選任していない場合、上場が視野に入ったタイミングで慌てて社外役員の候補者を探すという状況になることがほとんどです。
しかし、そのタイミングで慌てて社外役員候補者を探すと、企業理念の理解が十分でなかったり、適切な人材に巡り合えなかったりすることで、単に義務的に選任するだけになってしまうおそれがあります。上記①②でご説明したとおり、会社の発展を見据えれば、スタートアップ時から社外役員を設置するメリットが極めて高いことは明らかですし、人材確保のタイミングを逸しないためにもなるべく早いタイミングで社外役員を選任することを強くお勧めします。
報酬についても、スタートアップ時であることを考慮した報酬体系とすることが一般的ですので、お気軽にご相談いただければ幸いです。
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