労働問題に強い弁護士(企業側)の探し方
1.労働問題に強い弁護士(企業側)とは
「使用者側・企業側で労働問題に強い弁護士を紹介してください!」
弁護士会や役所の法律相談でそのような要望をお聞きすることが多々あります。
「労働問題に強い弁護士(企業側)」とは,一体どのような弁護士でしょうか。
大きく4つの条件を備えている必要があります。
条件1:経験・実績が豊富であること
条件2:常に知識のアップデートを欠かさないこと
条件3:質問に対する回答が迅速であること
条件4:労働者側の主張立証も見据えたアドバイスができること
それぞれについて簡単に補足します。
「条件1:経験・実績が豊富であること」
実務が法律の理想どおりに動いていないことはよくあります。
いくら正しい理論を持っていても,実務がどのように動いているのか,その経験・実績が豊富になければ,問題は解決しません。
理論と実践が乖離するのはゴルフと同じです。
理論どおり実践できていれば,今頃シングルのはずです。それどころかグランドスラムを達成しているでしょう。
しかし現実は違います。
イチローは,現役時代にしばしば「アジャスト」という言葉を用いていました。
労働問題が顕在化する場面は,まさにこの「アジャスト」がものをいう場面です。
経験・実績が豊富であれば,法律や現行ルールの枠を意識した上で,理論を実践にアジャストさせ,
①クリエーション(枠を広げる)
②ナビゲーション(枠内で最大化を図る)
③ガーディアン(枠を外させない)
の3つの機能を果たすことができます。
これらの源泉がやはり経験と実績です。
「条件2:常に知識のアップデートを欠かさないこと」
条件1では,経験・実績と言った実践の重要性をお示ししました。
とはいえ,理論と実践は労働問題を解決に導く両輪です。
理論の無いところに良い実践はありません。
弁護士資格は更新制ではありませんので,極端な話,司法試験に受かった時点での知識のままその後何十年も業務を行うことができます。
しかし,日本には8000を超える法律があり,新しい法律は毎年平均100ずつ成立しています。
近年は働き方改革の波が次から次へと押し寄せてきます。
持っている知識はあっという間に陳腐化します。
常に知識をアップデートする弁護士でなければ,労働問題を適切に解決できません。
その弁護士がどのようなセミナーをしているのかということも,弁護士を選ぶ重要な参考情報になると思います。
「条件3:質問に対する回答が迅速であること」
労働問題に直面した場合,様々な気持ちが去来すると思います。
しかし,労働問題に悩んでいる間でも日常業務は止まりません。
日常業務に集中するためにも常にスピーディな対応が要求されます。
質問への回答が機を逸したものであっては,どんなに立派な回答であっても無意味です。
質問に対する回答が迅速であることは(もちろん一定の水準を保っていることは当然の前提です。),労働問題に強い弁護士の選び方の重要な条件です。
そして,最近は電話やメールだけでなく,チャットワーク等の時空を超える様々なツールがありますので,これらへの対応環境が整っているかどうか(迅速に対応する姿勢のあらわれであるとも言えます。)もチェックしていただけると良いのではないかと思います。
「条件4:労働者側の主張立証も見据えたアドバイスができること」
労働問題では,当事者の立場が企業側(使用者側)と労働者側に明確に分かれます。
企業側(使用者側)で弁護士をお探しになられる際,企業側(使用者側)と同じ感覚を持った弁護士をお選びになると思います。
その考え自体に誤りはありません。
そこに,労働者側がどのような主張立証を行うか,その主張立証が裁判所を採用するかどうかの見通しを見据えたアドバイスができるかどうかと言った視点もプラスしてください。
孫子曰く「彼を知り己を知れば百戦殆ふからず」。
2.労働問題に強い弁護士の探し方
弁護士の探し方は,かつては,友人・知人の紹介や弁護士会の法律相談を巡ることが主流だったと思います。
最近はインターネットも増えてきました。もはやインターネットの方が主流かもしれません。
それぞれに一長一短があり,何が正しいということはありません。
インターネットで弁護士を探すことが主流になりつつあることを意外に感じられるかもしれませんが,インターネットには,比較的落ち着いた環境で主体的に探すことができるという大きなメリットがあり,一考に値するのではないでしょうか。
3.労働問題を弁護士に依頼するメリット・デメリット
労働問題を弁護士に依頼するメリットは,やはり適切な見通しと解決策の提示が受けられ,本来の業務に集中できることです。
餅は餅屋。
紛争は紛争解決のプロに依頼するのが解決の王道です。
デメリットについては,「費用」と記載されているサイトもありますが,適切な弁護士に依頼しなかったために要してしまった時間と費用を考えれば,弁護士費用をデメリットと言うことには違和感があります。
適切な弁護士に依頼する限り,依頼するメリットを上回るデメリットがあるとは言い難いのではないかと思います。
4.京都総合法律事務所には労働問題に注力した弁護士がいます
当事務所には,労働問題に注力し,上場企業をはじめ多くの企業で顧問弁護士を務めている弁護士が在籍しています。
労働問題は当事務所にご相談ください。