企業再生・破産の知識
平時における企業経営の関心事は、業績の向上、円滑な業務運営、理念の実現にあると思われます。
それでもなお、会社を取り巻く環境、予期せぬ外的事情の変化等により窮地に陥ることがあります。
私達は、そのような場面でより大きな力を発揮できるよう、日々研鑽を積んでいます。
経営危機のステージを単純化すると3つに分けられます。
1.客観的に経営危機が迫っているが主観的に危機を感じていない(または目を背けている)ステージ
このステージでは、様々な解決策を一緒に検討することができます。
このステージで危機の芽を摘みましょう!
・・・と言っても、これは言うは易し、行うは難しだと思います。
解決策の一つが顧問弁護士や社外取締役のフル活用です。
岡目八目(囲碁を傍らから見ていると、対局者同士よりも、八目も先まで手を見越すとの故事)と言いますが、危機管理や紛争解決の専門家である弁護士が、日常的に株主や債権者の目線と当事者目線の両方で企業活動に関わることで、経営の透明性を高め、ガバナンスを強化し、危機の芽を摘むことができます。
2.主観的にも経営危機を感じているが冷静な判断ができないステージ
このステージでは、弁護士に相談しないまま経営を進めてしまい、実効的な改善策を講じられるどころか、一発逆転を狙って無理な仕入れや投資を重ね、致命傷を負ってしまうことがよく見られます。
3.致命傷を負ってしまったステージ
このステージでは、法的な清算方法を見据えて、従業員や取引先に与える影響の最小限化、経営者の再出発の最速化を目指した方策を講じます。
これらのステージに応じ、以下のような解決策があります。
①リスケジューリング
弁護士が代理人として企業の資料を精査し、客観的に説得的で実現可能性のある再建案を策定して金融機関と交渉することで返済猶予を得て自力再建を果たす解決策です。
②事業・人員の整理・事業再編
不採算事業からの撤退やリストラ、会社分割や事業譲渡等による事業再編を行い、企業の核を残して自力再建を果たす解決策です。
③私的再建(私的整理)
法的整理ではなく、自ら再建案を立案し、債権者との交渉を重ねて自力再建を果たす解決策です。
最近では、各都道府県に設置された「中小企業再生支援協議会」を活用し、会社が自主的に再建案を取りまとめ、バンクミーティングを重ねて再建案への同意を取り付けるとともに、連帯保証している経営者は「経営者保証ガイドライン」を利用して再出発を果たす方法がメジャーになりつつあります。
④民事再生
法的整理の一つで、裁判所の関与のもと、原則として現経営者が引き続き経営にあたり、再建を果たす解決策です。
⑤破産
破産という言葉にショックを受ける方もいらっしゃいますが、実は前向きな解決策です。
早め早めに手を打つことで、従業員や取引先に与える影響の最小限化、経営者の再出発の最速化を図ることができ、結果的には最良の方法になることも多いのが実情です。
私達は、会社の現在及び近い将来のステージの分析、逆算を行い、それぞれのステージに応じた再建案をご提案することでこうした事案に対応してきました。
さらに、ご提案するだけで終わらず、会社・経営者の代理人として、その内容の実現に向けて矢面に立ち、様々な手続(スポンサーの探索、利害関係先との交渉、裁判所との調整等)を進めることこそが弁護士による対応の本分として様々な事案に向き合っています。
取り返しのつかない状況に陥る前、できるだけ早い段階でご相談いただくことが自力再建の王道です。
平時において私達に機動的にご相談いただく体制を整え、有事に備えておくことで、より大胆な経営に挑戦することができます。
私達には、数十年に亘る経験を通じ、あらゆる業種で数多くの会社・経営者の再建・再出発をサポートさせていただいた実績があります。
ぜひ私達にご相談ください。
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