【解決事例】従業員が行った不正な行為に対する損害賠償請求事例
ご相談のケース
店長を任せていた従業員が,こともあろうか店舗の電子マネーを不正に利用し,そのために,会社に200万円以上の損害が生じました。
電子マネーの決済方法は複雑で,正規の利用も含まれていて損害の全容も分かりません。
会社が被った損害を回収できませんか!?
解決方法
本件については,まず,会社に生じた損害を確定させる必要がありました。
そこで,電子マネーの発行元に対して弁護士会紹介制度を利用して,電子マネーの利用履歴の開示を求めるところから始めました。
そうして,会社の損害を確定した後,速やかに民事訴訟を提起しました。その中では,電子マネーの決済制度を詳細に説明した上で,従業員が行った電子マネーの利用が不法行為に該当すること,その行為によって会社に損害が生じたという因果関係の点について立証を行いました。
このような主張立証が功を奏し,当方の請求の全額が認容されました。
しかし,本件はここで「無事解決!」とはいきませんでした。当該従業員は判決で支払いが命じられたにもかかわらず,判決に従わず,賠償金を支払ってこなかったのです。
みるべき資産のない従業員に対して,我々が採ったのが「動産執行」という手続きでした。執行官を連れて従業員の自宅に行ったところ,それによって本件が初めて従業員の家族の知るところとなりました。その結果,従業員の家族が賠償金の支払いについて連帯保証をした上で,賠償金の全額を支払いました。本件はこのような流れで「無事解決!」となりました。
担当弁護士の所感
近時,電子マネー決裁は広く普及し,集客においても重要な価値を持つようになってきました。しかし,時には不正利用をされてしまうこともあります。
不正利用があった場合,不法行為の成立を立証するためには,決済制度の正確な理解や損害の確定のために資料の精査が必要となります。
当事務所は各弁護士が常に新しい制度等をキャッチアップし,様々な紛争に対応できる体制を整えております。
また,裁判に勝訴しても被告が判決に従わないというケースは,残念ながら,決して珍しくなく,そのような場合,原告としては,「民事執行」,すなわち判決に基づき強制的に回収するという手続きを採る必要があります。
通常は,被告が所有する不動産や被告名義の預金口座を差し押さえるのですが,必ずしも全ての被告がそのような財産を持っているとは限りませんし,場合によっては巧妙に自分の財産を隠匿する者もいます。
そのような場合,「動産執行」という手続きを採ることがあります。本件はまさにこの手続きをきっかけとして全額回収に至りました。
迅速・確実な民事執行を実現するには,執行手続きの経験が重要となります。
ベテランから若手まで在籍する当事務所は,新しい知見が必要な案件と豊富な経験が必要な案件のいずれにも対応が可能です。
京都総合法律事務所は、1976(昭和51)年の開所以来、京都で最初の「総合法律事務所」として、個人の皆さまからはもちろん、数多くの企業の皆さまからの幅広い分野にわたるご相談やご依頼に対応して参りました。経験豊富なベテランから元気あふれる若手まで総勢10名超の弁護士体制で、それぞれの持ち味を活かしたサポートをご提供いたします。